特集
効果的なトイレトレーニングのアプローチ
子どもの効果的なトイレトレーニングのアプローチ
1トイレトレーニングにおける問題点
トイレトレーニングは、多くの保護者にとってストレスの原因となります。これは、子どもの発達段階や個別のニーズに合わせた適切なトレーニング方法が見つかりにくいためです。加えて、間違った時期や方法でトレーニングを始めると、子どもに排泄関連の障害(日中の尿モレや夜尿症、頻尿など)を引き起こすリスクがあります。
2トイレトレーニングの対応方法
開始判断表の利用
トイレトレーニングを始める最適な時期を判断するために、開始判断表を用いるとよいでしょう。この表には、子どもの排泄間隔、心理的・身体的成熟度、排泄認識能力を基に記載します。例えば、排泄間隔が1時間30分以上開いていること、排泄の意思表示ができることなどがトレーニング開始の指標となります。
膀胱
開始準備
最低1時間半以上おしっこを貯められる
お子様の判定
- 1時間半以上貯められる
- 1時間以上貯められる
- 1時間未満しかためられない
こころ
開始準備
心の発達状況が安定している
お子様の判定
- 日中の生活がスムーズに行える
- まずます日中の生活がスムーズに行える
- あまり日中の生活がスムーズに行えない
知能
開始準備
トイレの認識をしている
お子様の判定
- 排泄への言葉かけに対してすぐに反応がある
- 排泄への言葉かけに対して、しばらくしてから反応する
- 排泄への言葉かけに対して反応がない
子どものトイレトレーニングの効果的な進め方
トイレトレーニングを効果的に進めるためには、個々の子どもの発達段階に合わせたアプローチが必要です。
1トイレトレーニング開始判断表の活用
開始判断表に基づき、子どもがトイレトレーニングを開始するための具体的な条件を満たしているかを評価します。これには、排泄間隔の把握、精神的成熟度の確認、排泄認識の評価が含まれます。保育者はこれらの情報を基に、各子どもに合わせたトイレトレーニング計画を立てます。
2個別化されたトイレトレーニングの実施
排泄間隔の把握
子どもの排泄間隔を理解し、トイレへの誘導タイミングを決定します。例えば、子どもが1時間30分以上排泄を控えることができる場合、この周期を基にトイレへの誘導を計画します。
声かけの実施
トイレトレーニング中は、排泄間隔に合わせて、定期的にトイレに誘導する声かけを行います。このとき、ポジティブな言葉遣いを心がけ、子どもがトイレの使用を楽しいと感じるように励ますことが大切です。
意思表示のサポート
子どもが排泄の意志を示した時は、すぐにトイレに連れて行きます。また、トイレに行くことで何をすべきかを具体的に教え、自立を促進します。
3個別化されたトイレトレーニングの実施
トイレトレーニングの進捗を定期的に記録し、どの戦略が効果的であるかを評価します。子どもがトイレ使用に成功した際は、具体的なフィードバックと共に褒めることで、積極的な行動を強化します。
4保育園や幼稚園との連携
家庭だけでなく、保育園や幼稚園の先生と密接に連携し、家庭と保育の場でトイレトレーニングが一貫して行えるようにサポートします。保育園や幼稚園の先生にはトイレトレーニングの方法や子どもの反応について定期的に情報を共有し、保育現場でのトイレトレーニングの取り組みを効果的に行うためのアドバイスを提供します。
このように、トイレトレーニングを個々の子どもの発達に合わせて進めることで、子どもにとっても保育者にとっても負担が少なく、効果的なトレーニングが可能になります。また、保護者との連携を強化することで、家庭と保育施設の間で一貫したサポートを提供することができます。