おしっこトラブルについて
おもらしについて
1.日中のおもらし(日中尿失禁症)とは
子どもの日中のおもらしは、医学用語では尿失禁症といい、おしっこをためる機能やおしっこを出す機能が完成していないためにおこります。
小学生(6歳)以降の日中のおもらし(尿もれ、ちびり:尿失禁症)は比較的めずらしいと思われがちですが、小学生から中学生の子どもの5〜10%程度にみられます。ユニ・チャーム日中のおもらし大調査より。
症状としては、「パンツやズボンを濡らしてしまう」「尿を少しだけちびる」「トイレに行った後にすぐにまた行きたくなる・ちびる」「おしっこが我慢できずにもらす」などがあります。
日中のおもらしは、おねしょを伴っていることが多いですが、日中のおもらしと夜間のおねしょは対処法がまったく異なります。
日中のおもらしは、腎臓や膀胱の形、尿管や尿道(おしっこが通る管)、脊髄や骨盤の神経に何らかの異常をともなっている場合もありますが、多くの場合はこれらに異常がないのにもかかわらず、機能的な問題で日中のおもらしをしています。
日中のおもらしは放置しておくと尿路感染を繰り返したり、腎臓に障害を起こすこともあるので子どもの排尿障害の専門医による診断と治療が不可欠です。
ご自宅の近くの専門外のクリニックなどを受診すると、「よくある心の問題だよ」、「大きくなれば自然に治るよ」、「ご両親の育て方が悪いからだよ」などと言われ、「様子をみましょう」になり、検査も治療もしてもらえない実情があります。
また治療を開始されてとしても,効果が薄いお薬を長期間にわたり服用している患者様にしばしば出会います。
さらに、日中のおもらしとおねしょ(夜尿症)が全く同一に扱われてしまっていることも少なくありません。
そのため、この機会におもらしの仕組みや対処法、専門医の受診の必要性などを理解する必要があります。
2.日中にお漏らしする子どもの割合は4〜5%
週に1回以上のおもらしや尿漏れ、パンツのちびりなどで悩まれている子どもは100人中5〜6人程度(5%前後)いるといわれています。
お漏らしで悩む子どもの数は4〜5歳から上昇し、7〜9歳頃にピークです。しかし、毎日おもらしをしてしまう、ズボンまでびっしょり濡れてしまうお子さんは100人に1〜2人程度(2%前後)と割合がかなり少ないです。
男児と女児の割合に差はないといわれていますが、診察に訪れるお子さんは男児が多い傾向があります。
保護者の方が、お漏らしや尿漏れで悩みはじめる年齢は、幼稚園から小学校に上がる頃が最も多く、小学校高学年になるにつれて徐々に頻度は減少していきます。
一方、女の子では、骨盤底筋が弱いために起こる腹圧性尿失禁症のために中学生以降になってもおもらしや尿漏れで悩まれるが方がいます。
お漏らしは友達からの「いじめ」や「からかい」の原因になるので、トイレトレーニングが終わって集団生活を始めたころから、真剣におもらしの問題に向きあう必要があります。
まずは、このサイトでおもらしの正しい知識と医学的な対策についてお伝えします。