頻尿について

ご家庭の対処法と診断について

1.ご家庭でできる対処法について

まずは,おしっこの量と回数を記録しチャートを作ることです。
病院での検査の結果、膀胱や尿道などに異常がないことが分かれば、次にお子さんの膀胱の大きさが正常であることを確認するため、1日のおしっこの回数と1回のおしっこの量を保護者の方に記録してもらいます。
1回のおしっこの量が年齢×30ml 以上(例えば6歳では6×30ml=180ml以上)あれば、貯められるおしっこの量は正常であることがわかります。
この排尿日誌の作成は、お子さんの日常生活の把握や頻尿の理解にもつながり、病気を克服する自覚を促す意味でも治療上とても有効です。
この記録をつける方法は週に1〜2日程度行えば十分です。あまり、几帳面に毎日やるような習慣をづけると、そのせいでかえって頻尿が悪化する事があるので注意してください。
さらに、排尿間隔を延ばしていく上で、膀胱のがまん訓練や腹筋や背筋、骨盤底筋を鍛える体操も有効です。
保護者の方に心がけてもらいたいことは、過度の緊張やストレスが神経性頻尿の要因になるので、トイレをせかさず、しからず、優しく見守ってあげることです。
また、幼稚園や学校など周囲の環境にも目を配り、担任の先生などに相談して協力をあおぐことも大切です。
さらに原因となっているものが明らかな場合は、なるべく原因を取り除くように心がけてください。

2.頻尿の診断に必要な検査

最初に尿検査を行い膀胱炎などによる白血球や血尿がないかを確認します。頻尿の程度がひどい場合は採血も行い、炎症反応や腎機能、血糖値についても検査します。
さらに、いままでの経過や詳しい症状を聞き、他の病気や頻尿になった時のストレス状態を把握していくことで心因性頻尿か他の疾患による頻尿かの区別を行います。就寝中にトイレで起きるなどの症状がみられないことは心因性頻尿の診断の手がかりになります。
長期間持続する頻尿や極端に短いトイレ間隔、また残尿感などを訴える患者さんには超音波検査による膀胱容量測定や尿流測定検査による膀胱容量や残尿測定なども行います。
さらに、必要に応じて膀胱造影検査や膀胱内圧測定、MRI検査を行うことがありますが、くわしい精密検査が必要となるのはごく一部のお子さんに限られています。

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